社会保険と健康保険のちがい
2022/10/15
Q:会社を作ると、国民健康保険じゃなくて、社会保険にはいるように言われました。どういうことですか?
A: 社会保険とは、会社を設立した取締役や会社員が勤務先を通じて加入する健康保険と厚生年金保険です。 会社、正確には法人には社会保険の加入義務がありますので、加入してください。
一方、国民健康保険と国民年金は会社を作らない個人の自営業者が加入する保険のことです。
この会社に勤めている人には、代表取締役などの取締役の、いわゆる経営者も含まれます。個人で自営業を行っている人は、代表者の家族も含めて加入することはできません。
社会保険と健康保険、よく耳にしますが明確な違いと言われもよくわからないですよね。
違いとそれぞれの特徴について説明していきますね。
社会保険と健康保険の違い
違い1:運営団体
社会保険には、年金を運営している日本年金機構と、健康保険を運営している健康保険協会通称「協会けんぽ」があります。会社は通常、この団体に加入します。
また、会社によっては、会社のグループで独自に組合管掌健康保険を設けていたり、厚生年金基金を設けていることがあります。
それに対して国民健康保険は、それぞれの市区町村が運営しています。
違い2:保険料の計算方法
<健康保険>
健康保険は、現在の給料をもとに保険料が算出されます。
国民健康保険は、自治体によって異なりますが、一般的には前年度の収入をもとに算出されます。
<年金>
厚生年金は、現在の給料をもとに保険料が算出されます。
国民年金は、毎月の定額の保険料になります。16,340円(平成30年度)
違い3:保険料の負担(扶養の有無)
<健康保険>
社会保険の場合は、健康保険料は扶養家族が何人いても、保険料は変わりません。
一方、国民健康保険には扶養という概念がありません。
そのため、世帯内の加入者数によって国民健康保険の保険料が決まります。
違い4:給付
<健康保険>
健康保険も国民健康保険も療養の給付などはほとんど同様に給付されます。保険証の医療機関での負担割合も同じです。ただし、健康保険(社会保険)の場合、出産手当金、傷病手当金といった手当てがありますが、国民健康保険にはありません。
<年金>
厚生年金保険も国民年金の給付には老齢年金、障害年金、遺族年金の3種類があるのは同じです。ただし、老齢年金を例にすると厚生年金も国民年金も原則として65歳から受給が開始されるのは同じですが、厚生年金が60歳から年金受給可能だった経緯もあり、現在は62歳からの受給開始となっているように、3種類とも厚生年金の方が手厚い給付になっています。
まとめ
社会保険と健康保険のちがいについてお話ししました。
個人事業主だが法人化を考えている人、会社を退職して事業を始めようとしている人は、社会保険と健康保険、どちらが自分にとってメリットがあるかと迷っている方も多いはず。
そういった場合、前年の所得や収入をもとに、現在住んでいる市区町村の保険料の計算方法を確認しましょう。
そして実際に試算してみましょう。
監修:企業を労務リスクから守るお手伝い 社労士事務所HIKARI
モットー:社外人事法務ブレーンとして経営、労務の悩みを一緒に考えさせていただきます。
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