年末調整って何?
2022/10/15
Q:よく聞く年末調整って、いまさらなんだけど、何ですか?
A: 年末調整は、1年間の所得税を確定させ、給与から差し引かれた所得税が確定額より多い場合には還付、不足している人には追加徴収する手続きです。
年末調整について説明していきますね。
年末調整とは
年末調整とは、1月から12月までの1年間に支払われた給与から差し引かれた所得税を精算する手続きです。
名前のとおり、年末に調整が行われるため、11月中旬から下旬くらいまでに必要書類を提出します。
会社など給与の支払者は、従業員に給与を支払う際、所得税の源泉徴収を行っています。
所得税は、1年間の所得に対して税額が決まりますが、従業員は毎月の給料を受け取る際、あらかじめ所得税が差し引かれています。これを源泉徴収と言います。
1年間に給与から源泉徴収をした所得税の合計額は、必ずしもその人が1年間に納めるべき税額とはなりません。
源泉徴収額と正しい所得税額を比較し、給与を受け取った人が税金を多く払っていた場合は差額を還付し、不足している場合はその分を徴収します。
年末調整と確定申告は何が違うの?
年末調整と確定申告は、どちらもその年の所得を計算し、所得税を納めるという意味で目的は同じといえます。
違いは、「誰」が申告・納税を行うかです。
年末調整は、会社が従業員(給与所得者)の代わりに税務署へ申告・納税を行います。
確定申告は納税者自身が1年間の所得を計算し、税務署へ税額を自己申告し、税金を納めます。
<出典>国税庁ホームページ
https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/2662.htm
年末調整の順序
1.その年の1月1日から12月31日までの間に支払うべきことが確定した給与の合計額から給与所得控除後の給与の額を求めます。
2.給与所得控除後の給与の額から扶養控除などの所得控除を差し引きます。
3.この所得控除を差し引いた金額(1,000円未満切捨て)に、所得税の税率を当てはめて税額を求めます。
4.年末調整で住宅借入金等特別控除を行う場合には、この控除額を上記3で求めた税額から差し引きます。
5.この控除額を差し引いた税額に102.1%をかけた税額(100円未満切捨て)が、その人が1年間に納めるべき所得税及び復興特別所得税になります。
6.源泉徴収をした所得税及び復興特別所得税の合計額が1年間に納めるべき所得税及び復興特別所得税額より多い場合には、その差額の税額を還付します。
逆に、源泉徴収をした所得税及び復興特別所得税の合計額が1年間に納めるべき所得税及び復興特別所得税額より少ない場合には、その差額の税額を徴収します。
年末調整の対象となる人は、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している人です。
ただし、2,000万円を超える給与の支払を受ける人等は、確定申告をする必要があります。
年末調整をしないとどうなるの?
年末調整の必要書類を提出しないと、年末調整で控除ができず、納税額の確定ができません。
年末調整の書類を未提出の場合は、確定申告を行うことで控除を受けることができます。
確定申告も行わなかった場合、控除を受けられません。そのため、払いすぎているかもしれない所得税が還付されることはありません。
必ず手続きをするようにしましょう。
まとめ
年末調整は、給与所得者が行う大事な手続きです。
手続きに必要な書類を会社に期日までに提出しないと、自分だけでなく会社にも迷惑をかけることとなります。
必要書類は早めに準備をして、必ず手続きをするようにしましょう。
モットー:「判断基準は善悪で」をモットーに適正な申告・正確な会計処理を心がけています。
■関連記事
この記事をお読みになられたかたは、こちらの記事もおよみいただいています。
この投稿をInstagramで見る
■カテゴリー