設備資金と運転資金の違い
2022/10/15
Q:独立起業し、会社を運営するために金融機関から融資を受けることにしました。 提出書類に「設備資金」と「運転資金」を記載する欄があります。これら2つは同じものではないのでしょうか?
A: 「設備資金」と「運転資金」は同じ資金でも融資において区別されます。どのように区別されるのかを説明していきましょう。
設備資金と運転資金は大きく違う
設備資金と運転資金は、大きな違いがあります。
それは、借りたお金を何に使うのかということです。
同じ資金でも使う目的が全く違うため、そもそも資金の性質が異なります。
2つの違いについて見ていきましょう。
設備資金
- 設備資金とは?
設備資金は、設備投資に使用する資金です。
つまり、商品仕入れ以外の会社経営に必要なものの購入資金です。
継続的ではなく、その時々に必要な経費となります。
例えば、パソコン、電話、自動車、コピー機、事務所を借りる場合は賃貸契約の初期費用などです。
- 設備購入目的にしか使えない
設備資金は、設備購入資金にしか使えません。
運転資金に回すことができません。
設備資金として融資したお金を運転資金に回すことがないよう、お金の管理を銀行が行うことになっています。
- 返済期間は長め
設備投資資金のため融資金額が高額であることが多いです。そのため、返済期間は比較的長く設定されます。
- 融資までに時間がかかる
設備資金は、融資の際、金融機関から設備投資計画書や見積書の提出を求められます。
投資計画書では、どれぐらいの設備投資が必要で、その設備投資でどのような効果が出るのかまで記載が必要です。そのため審査にどうしても時間がかかります。
運転資金とは
運転資金は、商品の仕入れに必要な経費など、継続的に必要なお金のことを言います。
例えば、商品仕入れ、人件費、宣伝費、広告費、事務所を借りている場合は家賃などです。
- お金の使い道が自由
設備資金と違い、銀行ではなく、会社でお金の管理を行います。人件費や光熱費など会社を運転していくための資金なので、お金の使い道が基本的に自由です。
しかし、原則として運転資金にしか使えないので、個人的に使用することは絶対にやめましょう。
- 返済期間は短め
運転資金は、会社を運転するために必要な資金を融資します。そのため、設備投資のように高額な融資ではないため、返済期間も短めに設定されています。
- 審査が比較的早く終わる
一般的に設備投資よりも審査が早く終わります。
金融機関に決算書を提出し、融資の資金が会社にとって必要で、きちんと回収できるかが確認できれば融資が行われます。
まとめ
設備資金と運転資金の違いについて説明してきました。
お金を使用する目的によって融資する資金も違います。融資を希望する場合は、あらかじめ信頼のできる税理士などの専門家に相談してから手続きをするようにしましょう。
監修:長井税理士事務所 長井建充 税理士
モットー:「判断基準は善悪で」をモットーに適正な申告・正確な会計処理を心がけています
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