専業主婦も立派なキャリア!62歳で英会話スクールを起業 アイ英会話スクール代表 鈴木則子
2018/06/07
専業主婦から62歳で英会話スクールを起業した鈴木則子さんに、独立起業のビフォア・アフターをうかがいました。子育てから独立起業されてみていかがでしょうか?
Q:お名前と、屋号や会社名、何をされているかの、自己紹介をお願いします。
A:鈴木則子です。62歳まで子供が4人の専業主婦でした。アイ英会話スクールという英会話スクール を経営しています。「アイ」は「愛(ラブ)」、自分の「I(アイ)」、とても感謝している母の名前「愛子」のアイからとりました。
Q:起業しようと思ったきっかけや背景を教えてください。
A:子供が4人いたので、ずっと専業主婦の人生でした。子供が成長してしまった時に、子供を育てるという本能のままに生きてきたなと思い、今度は人間として生きてみたいと思いました。英会話スクールをやっている大学の友達と再会したのが、大きなきっかけとなりました。彼女が「10年以上スクールをやって来たから、あなただってできるよ」と勧めてくれたので、私でもできるかもしれないと、部屋だけ借りてしまいました。
Q:実際起業する前に、何か懸念事項はありましたか?
A:明日からラーメン屋さんをやってみなさいと言われたのと同じくらいわからないことだらけでした。何も知らなかったから、怖いものしらずでした。だからできたと思います。
Q:準備はどのくらいされましたか?
A:後先考えずに、まず部屋を借りてしまいました。それだけ、何かやらなければと思い詰めていたのだと思います。1か月くらいの準備期間で取りあえずスタートさせました。その間に自分でホームページを作りました。オープンの前日に講師が見つかり、生徒が一人もいない状態でスタートしました。今考えると、本当に無謀だったと思います。
Q:実際に起業されてみた当初の心境や経営状況などはいかがでしたか?
何もかも不安でした。
A:1円、2円をけちる主婦でしたから、毎月何十万円もお金が流れていく、そのプレッシャーに押しつぶされそうでした。
今日やめようか、明日やめようかと毎日葛藤していました。
Q:今の心境や経営状況などはいかがですか?
A:軌道に乗ってきたのは、6か月を過ぎたころです。今は生徒さんも130人ほどとなり、やれやれですが、従業員の生活を支えなければという大きなプレッシャーがあります。
Q:想定外によかったことはありましたか?
A:自分がいなくなった時に、子供たちと私の思い出を共有できる人たちが沢山できたかなと思います。主婦では持ちえない社会的な信用ができました。
Q:逆によくない想定外なことはありましたか?もう少し考慮や準備が必要だったものなどありましたら教えてください。
A:忙しくなって、好きな時に外出できなくなりました。
スクール規約を作ったり、入会申し込み書を作ったり、教材さがしといったところから、手探りでしたから、全てです。
Q:いまの満足度は、100点満点で、何点ですか?
A:点数を考えたことはありません。点数では表せませんが、働いてこなかったので、働くといいうことが新鮮です。また年をとって、毎日やることがあり、稼ぐということは幸せなことかなと思います。また働くということで、社会に役立っているんだなという安心感があります。
Q:その理由を教えて下さい。
A:人に頼っているばかりの人生でしたので、自分で働き、少しでも稼げるということ、また若い世代や生徒さんの夢を応援できる場にいるということが、とても幸せだと思っています。子どもが小さかった時に、英語の添削の仕事をして初めて給料でコンサートに行きました、リチャードクレイダーマンのコンサードでした。ピアノの音が流れ始めた時に、涙があふれ止まりませんでした。音楽に感動したのはもちろんですが、自分で稼いだお金でコンサートに来れたことに解放されたという気持ちでした。
Q:100点にするには、何が必要でしょうか?
A:点数では表せないかと思います。人生に100点はないと思っています。ずっと何かを探し求めていきたいからです。それだけ欲張りなのかもしれません。
Q:ズバリ、ご自身において、独立起業とはなんですか?
A:自分の可能性を試すもの。束縛されますが、解放されるものでもあると思います。
Q:これから独立起業を考えている方、した方にメッセージをお願いします。
事業主は自分で全て決定するので、責任もありますが、上司がいないので、とても気が楽です。主婦も忙しいですが、家事全てを自分で采配できるので、今の立場と同じだなと思います。主婦はなにもキャリアがないと思っていましたが、長い間消費者だったことで、消費者の気持ちを理解でき、また、家族の生活を考えてサポートしてきたことが立派なキャリアだと思うようになりました。一歩を踏みだす勇気があれば、頑張った分だけ返ってくると思います。
取材のご協力、ありがとうございました。(ゆめかなう編集局)
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