赤字決算で税金が還付されるって本当ですか?
2022/10/15
Q:法人企業を経営しているのですが、赤字決算になったときも、法人税を払わないといけないのでしょうか?
A:事業を運営していると、いつもうまくいっているとは限りませんよね。赤字決算になってしまう場合も当然考えられます。
実は、赤字決算となった場合、条件が適用されれば、前年度に支払った法人税が還付される可能性があるのです!。
どういった場合に還付されるのか、適用条件や還付金の算出方法などを見ていきましょう。
欠損金の繰戻しによる還付
赤字決算となった場合、条件が適用されれば、前年度に支払った法人税が還付されることを「欠損金の繰戻し還付」と言います。
国税局は、欠損金の繰戻し還付において、以下のように明記しています。
「欠損金の繰戻し還付」は、青色申告書である確定申告書を提出する事業年度に欠損金額が生じた場合(以下、この事業年度を「欠損事業年度」といいます。)において、その欠損金額をその事業年度開始の日前1年以内に開始したいずれかの事業年度(以下「還付所得事業年度」といいます)に繰り戻して法人税額の還付を請求できるというものです。
(引用:国税局ホームページ )
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5763.htm
前年度は黒字決算だったが、今年度は赤字決算となり、欠損金が出た場合、前年度に支払った法人税を返してもらえるという制度です。
還付金請求できるのはどんな法人なのですか?
下記条件を満たしている一定の法人を対象としています。
1.青色申告法人の場合
・還付所得事業年度から、欠損事業年度の前事業年度までの各事業年度について、連続して青色申告書である確定申告書を提出していること。
・欠損事業年度の青色申告書である確定申告書をその提出期限までに提出していること。
・欠損事業年度の青色申告書である確定申告書と同時に欠損金の繰戻しによる還付請求書を提出すること。
2.災害損失欠損金を有する法人の場合
・還付所得事業年度から欠損事業年度の前事業年度までの各事業年度について、連続して確定申告書を提出していること。
・欠損事業年度の確定申告書又は仮決算による中間申告書を提出していること。
・欠損事業年度の確定申告書又は仮決算による中間申告書と同時に欠損金の繰戻しによる還付請求書を提出すること。
還付金の算出方法
還付金は、下記計算式により算出されます。
(注)法人が還付金額の計算の基礎として還付請求書に記載した金額が限度となります。
また、分母の金額が限度になります。
まとめ
赤字決算の場合、法人税の還付請求をすることができます。
しかし、請求をするためには、きちんと毎年提出期限までに確定申告を提出していることなど、条件があります。
請求できなかったということがないように、日ごろから提出期日は守るよう心がけておきましょう。
参考資料:国税局ホームページ
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5763.htm
モットー:「判断基準は善悪で」をモットーに適正な申告・正確な会計処理を心がけています。
■関連記事
この記事をお読みになられたかたは、こちらの記事もおよみいただいています。
この投稿をInstagramで見る
■カテゴリー