社長の報酬(お給料)はどうしている?
2022/10/15
Q :独立起業をしたのですが、社長の報酬ってみんなどうしているのですか?どうやって金額を決めたらいいのでしょうか?
A:社長の報酬(役員報酬)の決め方には税務上のルールがあります。
報酬は多い方がいいと希望金額を勝手に決めたり、今月は売り上げが高かったから50万円、来月は少し減らして40万円にしようなどと毎月変更することもできません。
役員報酬の決め方などを見ていきましょう。
損金の対象となる役員報酬について
税務上、損金の対象となる役員の給与は
以下の3種類です。
- 定期同額給与であること
・定期同額とは、支給時期が一カ月以内の期間ごとであり、かつその支給年度内の各支給時における支給額が同額であるもの。
・支給額の変更は、会社設立時(次年度は会計期間開始の日)から原則として3ヶ月以内か、地位の変更や職務内容の変更、又は経営の状況が著しく悪化などやむを得ない事情が有った場合にのみ変更が可能です。
- 事前確定届出給与であること
・事前確定給与とは、あらかじめ株主総会等で役員の職務につき、所定の時期に確定額を支給することを定め、届け出期限内に税務署へ届出たもの。
- 業績連動給与であること
・業績連動給与とは、利益の状況を示す指標、株式の市場価値の指標等で金額を算定し、業務執行役員に対して支給する給与で、一定の要件を満たすもの。
上記を守らないと、税務上、社長の給与は損金として認められませんので注意が必要です。
独立起業し、会社を設立したばかりでは、収入の見込みや経費の見通しもたてるのが難しいですよね。
そんな場合、どうやって社長の報酬を決めたらいいのでしょうか?
押さえるべきポイントについて説明していきます。
会社設立時の社長の報酬、おさえるべき4つのポイント
- 月々の必要経費が幾らかかるのか
- 売上を予測する
- 月々必要な生活費は幾らか
- 所得税が幾らになるか
1.月々の必要経費が幾らかかるのか
月々の会社での必要経費を計算しましょう。
光熱費、家賃、交通費、通信費、専門家への顧問料など、毎月必要な費用を洗い出しましょう。
2.売上を予測する
個人事業主から法人化した場合、前年度の所得を目安に売り上げを予測し設定しましょう。
3.月々必要な生活費は幾らか
会社を設立したが、資金繰りがうまくいきそうにないので、報酬をゼロにしようというのは本末転倒です。
月々、生活に幾ら必要なのかを計算し、必要な金額よりも少し高めの金額を設定するようにしましょう。
4.所得税が幾らになるか
報酬額を高く設定すると会社の所得は減りますが、個人の所得は増えるため所得税や住民税及び健康保険料等が増加します。
所得税率などの兼ね合いを見て、決定するようにしましょう。
上記4つのポイントを確認し、社長の報酬を決定しましょう。
まとめ
社長の報酬について説明してきました。
最終的に報酬金額を決めるのはあなた自身です。
会社のこと、ご自分の生活のことを勘案し、報酬を決めることをおススメします。
会社設立初年度は、まずは専門家である税理士にきいてみてはいかがでしょうか?
税理士さんは、税務の相談、節税の相談など多岐に渡り相談できます。
信頼のできる税理士さんに設立時からお願いするといいでしょう。
参考ページ:国税庁ホームページ
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5211.htm
モットー:「判断基準は善悪で」をモットーに適正な申告・正確な会計処理を心がけています。
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