法人の消費税対象とは?

2022/10/15
Q: 消費税って、買い物をする際など、普段当たり前に払っていますけど、会社も消費税を払わないといけないのですか?
A: 個人事業主や、株式会社、合同会社等の法人は消費税を納める必要があります。しかし、全ての法人が消費税を納める義務があるわけではありません。
では、消費税課税対象となるのはどういう場合かについて説明していきましょう。
消費税課税事業者とは?
消費税課税対象となる事業者のことを消費税課税事業者と言います。
消費税課税事業者の対象は、以下のパターンになります。
1.基準期間及び特定期間の課税売上高が1,000万円を超えている場合
2.1,000万円以上の資本金で法人を新しく設立した場合
3.特定新規設立法人に該当する場合
4.消費税課税事業者選択届出書の提出をおこなった場合
(注)その他合併分割等の特例に該当する場合などの例外があります。
1.基準期間及び特定期間の課税売上高が1,000万円を超えている場合
基準期間及び特定期間は、個人事業主と法人では違います。
基準期間による判定
・個人事業主の場合→前々年(2年前)の課税売上高が1,000万円超
・法人の場合→原則として前々期(2年前の事業年度)の課税売上高が1,000万円超
特定期間による判定
・個人事業主の場合→前年の1月1日から6月30日迄の課税売上高が1,000万円超
・法人の場合→原則として前期事業年度開始日以後6ヶ月間の課税売上高が1,000万円超
(注)上記の課税売上高に代えて、特定期間中に支払われた給与等の金額により判定することもできます
消費税課税対象者となることがわかった場合、「消費税課税事業者届出書」の提出をする必要があります。
2.1,000万円以上の資本金で法人を新しく設立した場合
資本金を1,000万円未満で新しく会社を設立した場合、特定新規設立法人を除き2期目の申告までは、消費税課税事業者になりません。
出来るだけ消費税の納税はしたくないという場合には、会社設立時に、資本金を1,000万円未満にすれば、一定の場合を除き2期目までは消費税免税でいることが出来ます。
3.特定新規設立法人に該当する場合
特定新規設立法人とは、設立した法人の基準期間に相当する期間おいて課税売上高が5億円を超えている法人等に、株式等の50%を直接又は間接に保有されている場合などの法人のことです。
4.消費税課税事業者選択届出書の提出をおこなった場合
上記のパターンに当てはまらなくても、この書類の提出をおこなえば、消費税課税事業者として認められます。
課税事業者選択届の提出を行った場合は、一定期間免税事業者になることができないので注意が必要です。
消費税課税事業者になるメリット・デメリット
メリット
免除になるほうが消費税課税対象にならず、納税の義務が発生しないので、出費を減らすことができ、メリットが大きいと考えるのが普通でしょう。
しかし、消費税課税事業者にもメリットがあります。
消費税課税事業者は、消費税の還付を受けることができる可能性があります。
(注)消費税の計算には、本則課税と簡易課税が有りこの場合還付を受けることができるのは本則課税の場合のみになります。
還付が受けられるのは、支出に係る消費税額が、収入に係る消費税額を上回った時です。
会社を立ち上げたばかりだと、機械や備品の購入等で支出が大きいです。
購入等にはほぼすべて消費税がかかります。そうすると、収入の消費税額よりも支出の消費税額が上回る可能性は非常に高く、消費税の還付が受けられる場合があり、消費税課税対象事業者になっておいた方が支出を抑えられる場合があります。
デメリット
消費税の納税義務があるので、支出が発生するという点がデメリットと言えます。
まとめ
法人の消費税対象についてお話ししてきました。
今後の会計の計画を明確にし、ご自分の状況を把握して、消費税課税事業者となるほうがいいのかどうかを判断するようにしましょう。
【出典】国税局ホームページ
http://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi_kojin/pdf/01-1.pdf
モットー:「判断基準は善悪で」をモットーに適正な申告・正確な会計処理を心がけています。
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