スペシャル取材

社員一人一人の健康経営こそがこれからの企業成長のカギ 一般社団法人 ウェルビーイング心理教育アカデミー 理事 渡邊 義

IMG_7358 協力・コラボ

法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科修了。経営管理修士(MBA)、臨床発達心理士、日本カウンセリング学会認定カウンセラー。
大学院では、生物的組織を研究テーマにして組織デザイン手法「クリエイティブワークシステムR」を開発、優秀プロジェクト選考会に選ばれる。大学院を首席で修了し総代を務める。
1993年~2014年まで日本選択理論心理学会常任理事、1999年~2014年までNPO日本リアリティセラピー協会常務理事、2013年~2017年まで日本カウンセリング学会静岡県支部副支部長及び事務局長。2017年、一般社団法人ウェルビーイング心理教育アカデミー(AWE)を設立し、理事に就任。
現在は、心理カウンセリング、研修講師の他、複数の企業に顧問として組織づくりのコンサルティングを行っている。

自分なりの幸せを自ら創造できる人たちを増やしたい

このお仕事をされる上での信条を教えてください。

幸せに生きるという概念であるウェルビーイングについて、科学的な知見を提供することで、自分なりの幸せを自ら創造できる人たちを増やすことです。

ウェルビーイングについて少し説明させてください。
ウェルビーイングは、身体的、精神的、社会的に良好な状態を表すもので、特に医療や福祉の中で使われてきた言葉です。現在では心理学や経営の分野でも用いられるようになり、幸せを表す言葉としても認知されるようになってきました。

ウェルビーイングは、人が社会的に生きていく上でも重要なキーワードです。幸福感の高い人たちは、自分の人生においても社会とのつながりにおいても高いパフォーマンスと創造性を発揮することが様々な研究からわかっています。
近年様々な分野で注目されているマインドフルネス(今この瞬間の自分の体験に注意を向けて、現実をあるがままに受け入れること)も、ウェルビーイングにつながるものです。マインドフルネスは、元々は禅からきており、仏教やヨガなどの東洋思想が前提にあります。瞑想し、心を鎮め、物事を判断せず今をありのままに感じ取るというあり方が、情報過多の時代で求められているのでしょう。

幸福に関する研究では、個人の生活習慣以上に人とのつながりが人々の幸せに最も影響するというデータが出ています。今後ますます進むであろう情報化社会の中で、一人だけで何かをするというのは不可能です。私たちが価値を生み出し、生き残っていくためには、様々な人の知恵と事業を交流が必要です。せっかく良い情報を持っていたとしても、互いにつながり合って関係性を築いていかなければ、それを社会に還元することは難しいでしょう。

例えば、皆さんがお持ちのPCやスマホは、すばらしい機能を持ち、役立つアプリを入れて有益な情報が保存されていますよね。しかし、ネットワークにつながっていなかったらどうでしょうか。手持ちのPCやスマホの良さをまったく活かすことはできません。PCやスマホの性能を最大限に活かすためには、各々を最適化するだけでなく、ネットワークで互いにつながり、交流することが不可欠です。
人も同じです。個人個人が自分の体調を整え、知識を得て経験を重ね、技術を高める努力をしても、お互いにつながり合って交流しなければ最大のパフォーマンスは発揮されません。個々だけではなく、社会とのより良いつながりを構築することが重要なのです。

起業する上でも大切なことは、プライベートでは友人や家族、社会では社内の人間関係、顧客やステイクホルダーの人(利害と行動に直接・間接的な利害関係を有する者)たちと良いつながりを持つことです。
良いつながりが持てると、自分の強みを活かして貢献しやすくなります。他者への貢献は、同時に自分自身の幸福感も増やします。そうした相互交流の中で新たな価値が生み出され、イノベーティブな活動へと変化していきます。

私たちは、このようなウェルビーイングに関する科学的知見を通じて、自分なりの幸せを自ら創造できる人たちを増やし、その人たちがつながることによって社会的な幸せがさらに広がることを目指して活動しています。

全ての人に必要なウェルビーイングを広めるため、誰もがわかりやすく学べる講座やコミュニティの提供

そのために、具体的にどのようなことをされているのですか?

ウェルビーイングを広める活動をしています。
主には、
・ウェルビーイングに関する講座を提供(学習形態は、実際にお会いして学ぶオンサイトセミナーとwebで学ぶウェビナー)、
・共に学び合い、つながりあうコミュニティを提供しています。
・ウェルビーイング心理教育ナビゲーターという資格認定を行っています。
・ウェルビーイングに関するアップデートされた情報を提供しています。
・ウェルビーイングに関するイベントを開催しています。

講座はウェルビーイングを日常生活で活かしやすいよう構成し、誰もが学びやすいように工夫しています。そのために、日々、科学的根拠に基づく理論や手法を、心理学、教育学、医学、公衆衛生学、組織行動学など幸せに関する学際的な情報を収集しています。

体の不調にはカウンセリングが必要だと感じた時

このお仕事を始めたきっかけは何だったのでしょうか?

元々鍼灸の治療院を経営していました。鍼灸治療で一旦良くなられても、日が経つとまた不調を繰り返すケースをみていて、心の問題も同時に解決したほうが治療効果は出るのではないかと考えました。
そして、カウンセリングを本格的に勉強するために大学に編入しました。心理教育を専攻し、鍼灸治療の一環としてカウンセリングも行うようになりました。
鍼灸治療院には、体の調子が悪くて病院に行っても原因がわからない患者さんが多く来院されます。そして治療して調子が良くなっても、再びストレスによって症状が再発するという患者さんには、カウンセリングをお勧めするようにしました。すると、治療効果がすごく良くなったのです。
当時はまだカウンセリングが今ほど世の中に知られていませんでした。カウンセリングを始めたところ地方のテレビ局から取材があるなど、世の中にカウンセリングのニーズがあると強く感じ、心理カウンセリングを本格的に事業の一つに据えることになりました。
その後、団体や企業などにメンタルヘルスサービスを提供している企業と提携することになり、業務形態も鍼灸院からカウンセリングセンターへとシフトチェンジしていきました。

AWEの理事である私たち夫婦は、1996年にカウンセリングセンターを設立し、20年ほどカウンセリング臨床を行ってきました。その中で、メンタル不全になってから対応するのではなく、予防的なアプローチの必要性を感じるようになり、ウェルビーイングの観点から心理教育的な研修事業も展開してきました。
2015年に、妻がNY在住の医学博士で臨床心理士の松村亜里さんの講座を受講したこと、また松村さんも妻の著書とブログの読者であったという偶然のめぐり合わせから私たちと想いが共鳴するようになりました。
そして、2016年に「日本とニューヨークでウェルビーイングに関する事業を協働したい」とお互いに夢が合致し、2017年1月に一般社団法人ウェルビーイング心理教育アカデミー(AWE)を設立することになりました。現在は、ニューヨークと日本をつないでウェルビーイングに関する心理教育を進めています。

ウェルビーイングを広めたいという強い想いを持った同志に出会えた時

「このお仕事を続けていて良かった」と思うのはどういった時でしょうか?

ウェルビーイングについて興味関心を持ち、広めてくれる同志に出会えた時です。現在、ニューヨークと日本に41名の心理教育ナビゲーターが誕生しています。また、ウェルビーイングを学び、互いに支援し合うコミュニティが生まれ、日米のポジティブ心理学を始めとするウェルビーイングの研究者たちとのつながりが得られたことを心から嬉しく思います。

今後の目標と最後にこのページをご覧になっている方へのメッセージをお願いします。

今後の目標は2つあります。
1つ目は、ウェルビーイング心理教育の講座を担当できる心理教育ナビゲーターを増やしていくことです。
そうすることで、各地でウェルビーイングに関する情報提供の機会が増し、多くの人たちに届けられるようになります。
2つ目は、ウェルビーイング心理教育アカデミーを開かれたコミュニティとして育てていき、ウェルビーイングに関する学際的な情報交換と学んだ方々の互恵的相互交流の場としてつながりを創っていくことです。

幸せは、偶然の産物ではありません。幸せは自ら創造できるものです。
現在では、科学的にどのような行動が幸せにつながるのかが分かってきています。幸せに関する情報を得て実践することで、誰もが自分なりのしあわせを手にすることが可能です。
私たちは、そうしたウェルビーイングに関する科学的知見を理論と方法を提供し、健やかでしあわせな社会づくりに貢献していきたいと考えています。

2018年1月5日に一般社団法人ウェルビーイング心理教育アカデミー 設立一周年記念イベントを開催します。
イベントでは、幸せを創造するパートナーとしてお互いのつながりを深めると共に、今後のウェルビーイングの未来を語りあいたいと思っています。
今回は、会員でない方でもウェルビーイング心理教育アカデミーの活動に賛同される方はご参加いただけます。
ぜひこの機会にウェルビーイングについて学びにいらしてください。お待ちしております。

一般社団法人 ウェルビーイング心理教育アカデミー
▶https://wellbeing-education.org/

ゆめかなう編集部

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