チャットボットで営業を自動化し、自分が本当にやりたい仕事に集中できる。そんな世界を実現すること 株式会社チャットブック 代表取締役小島舞子 | 「なりたい・したい」を「できる」に変える 次世代リーダーズのための :ゆめかなう

チャットボットで営業を自動化し、自分が本当にやりたい仕事に集中できる。そんな世界を実現すること 株式会社チャットブック 代表取締役小島舞子

小島さん1

早稲田大学在学中にC(消費者)向けサービスやアプリを企画開発する会社、株式会社プライムアゲインを創業。
5年間CTO/CFOとして勤め、数十件のウェブやアプリを制作。500万ダウンロードを達成するアプリを制作。
CFOとして1億調達し、リクルートへ転職。後に株式会社チャットブックを創業。

チャットボットで営業を自動化し、リード獲得から受注につなげるサービスの提供

どのような事業内容を展開されていますか?

営業を自動化するサービス(ChatoBook)を提供しています。顧客獲得に関わるコミュニケーションを自動化することで、リード(見込み顧客)獲得から商談化まで一貫でできる仕組みとなっています。

具体的には、企業のサービス紹介ページやFacebook広告に訪問したリードをFacebookメッセンジャーに誘導し、チャットボット(テキストや音声を通じて会話を自動的に行うプログラム)に会話をさせます。会話した内容やFacebookの登録情報をもとにリードを把握し、商談や受注につなげるサービスです。

チャットボットの面白い特徴としては、リードの判定だけでなく、顧客の「BANT情報※」も会話で聞くことができます。BANT情報というのは、人間が聞くと失礼なことなのですが、チャットボットならさりげなく聞くことができます。
※BANT情報とは、Budget(予算), Authority(役職や権限), Needs(ニーズ), Timeline(時期)などの受注に不可欠な要素のこと。

例えば、初対面の営業でいきなり、「あなたは決裁者ですか?」と聞くのは、失礼ですし気が引けますよね。しかし、企業の営業受注活動にそうした情報は必須ですから、チャットボットに質問項目としてうまくインプットしています。チャットボットの質問だと、ほぼみんな回答してくださいます。人が得意としないことを、チャットボットが変わって効率よく仕事をしてくれるというわけです。

さらに業務効率でいいますと、人間の営業担当が顧客対応に相当な時間を費やしているのが現状です。
顧客へお礼やリマインドを送る、フォロー活動といった細かい対応、それは営業活動で確かに重要ですが、それは人間しかできないことではありません。その細かい対応をボットが自動化します。

自動化したらその分時間に余裕ができます。その時間を活用し、マーケット調査や提案を再度試行錯誤する、人に会うといったもう少しクリエイティブな仕事、人間じゃないとできない仕事に自分のエネルギーを使いたいと思う仕事に注力することができます。

世界に絶対必要な法人向け自動顧客獲得ツールを提供できるのは、私たちしかいない

お仕事をする上での信条は何ですか?

法人向けの顧客獲得ツールは絶対世界に必要だし、それを提供するのは私たちだという強い思いです。ビジネスをどうやってつくるかという最初の設定をまず作ってあげる。それは私たちだからわかるしできること。それは自分たちしかできないことだと確信しています。

弊社も実際に自分たちのサービス(ChatoBook)を使って顧客を獲得しています。
例えば、Faceebook広告からチャットで入ってきてくれた人宛に「先ほどはコンタクトをいただきありがとうございます」と電話すると、「チャットの人が電話をかけてきてくれた!」といい意味で驚きを与え、アイスブレイクされた状態で話を進めることができます。

そうすると、相手の情報を聞きやすいですし、そこから商談につながる確率が高まります。自社でトライ&エラーを繰り返し、より良い状態に改善したものをお客様に提供しています。

昨今、営業の顧客対応は、対面ミーティングよりもオンラインでの会話が3倍も多いと言われています。対面ミーティングはやはり機械ではできません。コミュニケーション力や相手への接し方、話の作り方は機械ではなく人間じゃないとできない部分。このクリエイティブな部分に人間は集中してほしいです。

オンラインでの様々なアクティビティがどんどんボリュームが大きくなってきているので、その部分の人間の負担をいかに減らし、人間にしかできない仕事へ費やせる時間をいかに増やしていけるのかを考え、サポートしていきたいと思っています。

会社の規模にかかわらず、顧客獲得に苦労した経験が生きる

このお仕事を始めたきっかけは何だったのでしょうか?

1度目の起業は、大学の時。学生起業して6年ほど事業を行っていました。その時、一番苦労したのが顧客獲得。当時、スタートアップだった上に学生だったので大企業の獲得は特に難しいと感じていました。

その後、リクルートへ転職します。大企業だからもっと顧客獲得が簡単にできると思っていましたが、そこでも感じたのが「リクルートという名があっても意外と顧客獲得は難しいんだ」ということ。

Webサイトは、訪問してくれたお客さんを獲得できるのは、よくても5%程度だと思います。つまり、100人いたら95人は逃げてしまう。それはスタートアップでも、中小企業、大企業でも同じだと思います。
つまり、顧客獲得は、どのような企業においても共通の課題なのだと痛感しました。

そんなことを経験する渦中、FacebookのメッセンジャーAPIが公開されたため、そのチャットを通じて顧客獲得ができるサービスをつくろうと思ったのがきっかけになりました。

いかに起業そのものを楽しめるかどうか

起業家精神はどういうものがあったらできると思いますか?

その仕事をいかに楽しめるかどうかじゃないかな。
仕事をしていく上でやっぱり課題はたくさんありますし、苦しいことも多々あります。

私は、基本的に学んでいくのが好きなので、営業がこんなことで困っている、じゃあ既に公式があるからこっちを当てはめてみようと試してみる。試行錯誤して、勉強しながら進めていく。今ある状況や課題の改善の仕組みを考えるのが好きだし、創っていくことがとにかく楽しいんです。

新しいことを勉強して何か形にする。それをお客さんが使ってくれる、それが一番うれしいし楽しい。起業していく上で大切なことだと思いますね。

今後の目標と最後にこのページをご覧になっている方へのメッセージをお願いします。

目標は、人間がやらなくていい作業や再現性の高い仕事を自動化して、自分が本当にやりたい仕事に集中できる。そんな世界を実現することですね。

起業しようと一念発起し、いきなり成功する人は少ないと思います。起業する分野で何か活躍した経歴があれば別ですが、いきなり業界未経験の人がぱっと起業して成功できるかと言ったらちょっと難しいかなと思います。

まず最初は、起業して成功しそう、真似したいと思える人について、その人のもとで働き、徹底的に学ぶことです。
夢がない話と思われるかもしれませんが、私はそれが一番ベストな方法だと思っています。

起業では人との関係と情報が重要になり、想像以上に他人と関係を持ち助け合いながら仕事していくことになります。真似したいと思える人のもとで手法を勉強して、その会社で実績を作って会社自体も大きくなった時に満を持して起業する。あの会社を成長させた人なんだと箔もつきます。まずは自身が起業する環境を周囲に馴染ませながらつくっていくことが大切ですね。

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