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【副業している方】副業で独立起業するなら知っておこう!落とし穴にはまる前の予備知識<難解な制度編>個人事業主/フリーランス

2023/02/04

Q:独立起業したいと思っていますが、いきなり会社を辞めてしまうのは怖いので、とりあえず副業からはじめようと思います。何か注意することはありますか?

 

 

A:多様な働き方が広まってきた昨今、独立起業のための準備段階として、本業で会社員として働きながら副業として起業をする方も増えてきました。時間などさまざまな制約はあるものの、会社員の安定性をキープしているからこそ、副業ではチャレンジしていけるという点が魅力です。

 

さて、そのように副業で収入を得ている方は、会社員や個人事業主とはまた違った点に注意しなければなりません。今回は「本業は会社員、副業で事業を営んでいる」という方へ、特に注意したいことを説明していきます。

 

※こちらの記事は、2023年1月時点の情報です。最新情報は国税庁のサイト等で確認されることをおすすめします。

 

副業での起業を目指す方へ、注意したいこと4つ

 

本業の会社員以外に、副業としての収入がある場合、次のことに注意しましょう。

 

 

◆ 勤め先の会社では副業OKか、自分の将来展望と合致しているかを確認しよう

 

近年、社員が副業をすることを認める会社が増えてきました。しかし、会社の規定によってどこまで認められるのかは異なるので、まずは就業規則を確認してください。

 

一般的には、副業が許可されている場合でも、副業にのめり込みすぎて本業がおろそかになってしまったり、本業の勤務先に損害を与えた(ノウハウや顧客情報を漏洩させるなど)場合には、何らかのペナルティを科されることが多いと思います。

 

また、どのような副業をやっていくか考えるときは、自分の強みをいかせるかどうかや、将来の展望などから考えて選ぶことが重要です。独立起業を目指す人は、それにつながるような副業選択をおすすめします。あるいは、将来やってみたい事業のテストマーケティングや助走期間として、副業からはじめてみるというのもありです。その上で、本業と両立できるような仕事量が調節しやすい事業や本業の競合とならない事業を選択しましょう。

 

 

◆ 副業の確定申告は必要?年末調整は?

 

自分の副業での所得から確定申告が必要かどうかを判断しましょう。

 

確定申告が必要かどうかの基準は、給与所得以外の所得が20万円あるかどうかです。20万円以上であれば確定申告が必要で、20万円以下であれば確定申告は必要ありません。“所得が20万円以下”というのは、売上ではなく必要経費などをすべて差し引いたあとの金額が20万円ということです。例えば100万円の売上があっても経費が90万円かかっている場合は、所得は10万円なので確定申告は不要ということになります。

 

ただし、確定申告の必要がないとはいえ、住民税の確定のための申告は必要です。別途市区町村の窓口で手続きを忘れずに行ってください。意図せずとも「脱税」となってしまいます。

 

そして、本業が会社員の方は年末調整があると思いますが、両方やっても問題ありません。

 

 

◆ 確定申告をしたら、本業の会社にばれる?防ぐ方法は?

 

もし、副業や兼業を禁止している会社に勤めている場合、副収入があることを知られたくない場合もあるでしょう。副収入があることが会社に知られてしまうきっかけは、ほとんどの場合住民税です。

 

毎年6月になると、前年分の課税所得金額から住民税が計算され、納税額が勤務先宛てに通知されます。その金額が会社が給与所得から算出した金額よりも高いと、副収入があることがわかってしまいます。

 

確定申告書第二表に「給与・公的年金等に係る所得以外(4月1日において65歳未満の方は給与所得以外)の所得に係る住民税の徴収方法」を選択する欄があるので、ここで「自分で納付」を選び、確定申告の際に給与所得以外にかかる住民税を個人で納付する手続きを実施したら、会社に通達はされない状況になります。

 

ただし、副業や兼業禁止の状況下で、副業や兼業を推奨しているわけではありません。ご自身の判断と然るべき場所への確認のもと、ご実施されてください。

 

 

◆ 2022年の「副業収入は雑所得か事業所得か?」論争

 

2022年に「副業での所得はすべて雑所得になってしまう!たいへんだ!」と話題になっていたのをご存知でしょうか?

 

国税庁から、法律を「副業としての収入が300万円以下の場合は、事業所得ではなくすべて雑所得として扱うことにします」という内容に改正するという案について、パブリックコメントを募集していたためです。その結果としては、おそらく反対意見が多数集まったために「記帳や帳簿類がきちんと保存されていればおおむね事業所得として認められる」という内容に落ち着きました。ただし、売上が極端に少なかったり、営利性が認められない(ずっと赤字を放置しているなど)場合は、個別に判断するとされています。

 

令和4年10月7日「所得税基本通達の制定について」の一部改正について(法令解釈通達)(リンク:https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/kaisei/221007/index.htm

 

では、なぜ雑所得と扱われるようになってしまうと良くないのでしょうか。

 

それは、雑所得は他の所得との「損益通算」ができないためです。例えば、本業での給与所得が100万円、副業では200万円の赤字を出してしまったという場合、副業での所得が事業所得とみなされていれば、本業の所得と差し引きして100万円−200万円=−100万円となるため、税金はかかりません。しかし、副業収入が雑所得とみなされるようになると、そのまま給与所得の100万円に対して課税されます。個人としては赤字になっているのにも関わらず、税金は払わなければならなくなるということです。

 

そのため、副業であっても記帳は正確に行い、保存しておきましょう。

 

副業選びや、どのような起業をしたら良いのか迷ったら、ゆめかなうオンライン相談カウンターでも相談も受け付けていますので、疑問や相談のある方は、ぜひご利用ください。

 

▼参考・出典

・日本年金機構 https://www.nenkin.go.jp/index.html

・総務省 https://www.soumu.go.jp/

・国税庁 https://www.nta.go.jp/index.htm

・厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/index.html

 

 

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