「美しさを妥協せず女性が痛みから解放される世界」「女性により多くの選択肢を」 株式会社inace代表取締役 上野真里子
2019/03/07
女性の負担を足元から減らし、自らの人生を最大限に生きる人を応援したい そんな思いで起業した株式会社inace代表取締役 上野真里子にお話を伺いました。
Q:お名前と、屋号や会社名、何をされているかの自己紹介をよろしくお願いいたします
A:上野真里子です。株式会社inace(いなせ)代表取締役をしています。
世界初のヒール部分が付替可能なシューズブランドTANYA HEATH Parisの日本総代理店として株式会社inace(いなせ)を設立し、販売を行っています。
Q:プロフィールを教えてください。
A:1986年に東京都葛飾区柴又で生まれました。
大妻女子大学卒業後、2011年に世界最小の手術用縫合糸を製造販売する国産医療機器メーカーに就職し、営業職として主に心臓血管外科・小児外科・形成外科をメインに数多くの主要病院を担当し、入社3年目でトップの成績を収めました。
その後、産婦人科・泌尿器科領域で使用する新製品開発に従事。営業兼プロダクトマネージャーとして全国の重要施設を回りながら、世界トップクラスの手術技術を持つドクターらと医療機器(手術材料)開発に携わったことで、日本の医療及びものづくりの素晴らしさに触れます。
2017年開発製品が一部の施設で使用・販売開始された事を1つの区切りとし同社を退職。
2018年世界初のヒール部分が付替可能なシューズブランドTANYA HEATH Parisの創業者TanyaHeathに会うために渡仏。同ブランドの日本総代理店として株式会社inace(いなせ)を設立し、今に至ります。
Q: このお仕事をされる上での信条を教えてください
A: 「美しさを妥協せず女性が痛みから解放される世界」「女性により多くの選択肢を」女性の負担を足元から減らし、自らの人生を最大限に生きる人を応援したいという思いがあるからです。
元々、医療機器メーカーの営業職として毎日ハイヒールを履いて外回りをしていた私は1日10時間以上ハイヒールを履いていました。一日の営業を終える頃には、痛すぎて歩けなくなり、靴を捨てて帰ったこともあります。
そんな毎日を繰り返している時、ふと思ったのです。ヒール部分だけ取り外しができたらラクだろうなと。調べてみるとフランスにあるTANYA HEATH Parisという靴に辿り着きました。
当時、世界には既にヒール部分が付替可能な靴を取り扱っている会社は何社かありました。しかし、TANYA HEATH Parisという靴を知り、「これだ!」と思ったのです。
その理由は2つあります。1つ目は、世界初のヒール部分が付替可能な靴を作り販売したということ。2つ目が、女性がそれを作っていたということ。その2が私の心につきささりました。
新製品の企画開発の仕事を経験していたので、いかにものづくりが大変かを実感していました。そんな大変なことを女性がトップで成し遂げていることに心を奪われました。
純粋にその靴を作っているTanyaHeathに会いたいと思ったんですよね。そこからは早かったです。起業しようと決めるまでに4年もかかったのですが…。すぐフランスに会いに行きました。現地に行って、自分の目で確かめるために。
Tanyaは、会いたいと言って会いにやってきた初対面の私を歓迎してくれました。海外の方特有の軽いのりに救われたところもありました。
工場の案内をしてくださり、TANYA HEATH Parisの靴をどう思っているか、日本で売りたいと思う?など質問をしてくださいました。そして、TANYAの靴へ対する思いなどいろんな話をしました。
Tanyaは、「靴(ビジネス)のためではなく、ビジョンのためにブランドを立ち上げた」と言いました。
そのビジョンとは、女性が痛みから解放される。しかも美しさを妥協しないで痛みから解放されるのを手伝うことと。そして、女性により多くの選択肢を与えたい。
私はその言葉に感動した自分の気持ちを今でもはっきりと思い出せます。
この仕事をする上での私の信条は、このビジョンの実現なのです。
Q: 起業しようと思ったきっかけや背景を教えてください
A: 「いつかおじいちゃんのよう様に会社を持ってみたい。」
学生の頃から思っていました。
祖父は地元柴又で会社を経営していました。
小さい頃、なぜか三姉妹の中で私だけよく怒られていたので(笑)とても怖い存在だった祖父。そんな祖父が歳を重ね、次第に認知症になりました。
それでも最後まで私たちを守るそぶりを見せてくれていたのはさすがだなと思います。
私は山梨に出張中で祖父の最期に立ち会うことができませんでした。
一緒にいられなかったので、どんな想いで最期を迎えたんだろう。人生に満足してくれていたのかな。そうだったらいいな。祖父の死に思いを馳せるうちに、自分の人生の最期について真剣に考える様になりました。
せっかく与えられた人生なら、自分なりの、かっこいい生き方がしたい。
最期を迎える瞬間、後悔のない人生にしたい。祖父の死をきっかけにそう強く思うようになりました。
今までも何度も起業するチャンスはありましたが、起業する理由が見当たりませんでしたし、女性として生まれたので出産・育児のことがいつも頭の片隅にあり、リスクばかり考えて怯えていたのでなかなか起業しようと思えませんでした。
しかしそのリスクを負ってでも起業したい!起業しようと決断するきっかけがありました。それは、先ほどお話ししたTANYA HEATH Parisの靴との出会い、そして創業者のTanyaHeathとの出会いです。
私は、起業が全てじゃないと思っています。やりたいことが起業だと思ったなら起業すればいいし、別に起業したからといってその人が満たされるわけじゃないかもしれないと思っています。
私の場合、TANYA HEATH Parisの靴をフランスから日本で独占販売する条件が、会社を立ち上げることでした。たまたまこの靴を私が日本で販売するには起業するしかなかったのです。
Q: 今後の目標を教えてください。
A: 店舗を持つことですね。立ち上げ当初からずっと目標にしてきたので、まずはそれを叶えたいです。
そして、TANYA HEATH Paris取扱店や加盟店を増やしていきたいです。一緒にTANYA HEATH Parisを広げたい、店舗を持ちたい方がいらっしゃったらぜひ声をかけてほしいですね。
Q: 独立起業を志望されている・すでにした読者の皆様へのメッセージをお願いします。
A: 起業する前は、どうしても失敗したらどうしようと不安になり、一歩が踏み出せないと思います。しかし、起業してしまうと、意外と失敗することはそんなに怖いと思わないようになります。私がそうでした。
起業した多くの先輩が言っていることですが、本当にやりたいと思ったら、失敗を恐れずに、やりたいと思ったことを納得いくタイミングで、納得のいくまでやればいい。
ただ、やると決めたなら、自分できちんと責任をとる。人のせいにしないこと。これはとても大事なことだなとつくづく思います。
私自身、社会人時代や起業してからも女性として様々な苦労をしてきました。その経験から、同じような経験をしてつらい思いをしている人の支えになったり、相談に乗ることでポジティブになってもらうことはできると思います。少しでも皆さんの力になれればと考えています。
また、そんな女性にこそTANYA HEATH Parisの靴をはいて前向きになってほしいと心から願います。
取材のご協力、ありがとうございました。(ゆめかなう編集局)
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