会社にいる時にはできなかった、お客さんと直接向き合って対話するようなものづくりがしたい イラストレーターことり | 「なりたい・したい」を「できる」に変える 次世代リーダーズのための :ゆめかなう

会社にいる時にはできなかった、お客さんと直接向き合って対話するようなものづくりがしたい イラストレーターことり

京都を拠点に活動するイラストレーター。
大阪芸術大学デザイン学科を卒業後、任天堂株式会社にデザイナー入社。ゲームソフトパッケージ用のキャラクターイラスト制作、ライセンシーグッズ監修、ソフト内のUIデザインやイラスト、キャラクターデザインなど、デザイン業務に幅広く携わる。
2015年、10年目を節目に独立し、フリーランスでの活動をスタート。CDジャケットイラストやコンサートグッズ、年賀状素材集などのイラスト制作の他、任天堂出身3人組「Nukenin」でのゲームアプリ制作、オリジナル忍者キャラクター「おしのびさん」の雑貨やアートで活躍中。
イラスト制作だけでなく、デザインまで出来るのが強み。

オリジナルキャラクターを作ろうと思い、甲賀の忍者屋敷へ見学に行った時に発見

このお仕事をされる上での信条を教えてください。

独立する前は任天堂でデザイナーをしていましたが、純粋にイラストやキャラクターが好きで、もっといろいろなものを描きたかったからです。また、会社にいる時にはできなかった、お客さんと直接向き合って対話するようなものづくりがしたいと思ったからです。

オリジナルキャラクターを作ろうと思い、甲賀の忍者屋敷へ見学に行った時の事です。ガイドの方が「甲賀忍は基本的に戦いを避ける。生きて逃げて、情報や家族を守る事を大切にしていた。」という説明を聞き「へぇ~、意外。おもしろいな~。」と思った事から「積極的には戦わないけど、グルメや旅について情報通で、仲間を大切にする忍者」を模索してきました。

そうして生まれた「おしのびさん」には、たくさん仲間がいます。「この子、私に似てる」「この子はあの人に似てるかも」という、個性を持たせています。
イラストやキャラクター、雑貨は生活必需品ではありませんが、癒しを感じられるものです。使っていると日常が楽しくなったり、親しい人にプレゼントしたくなるような、日々のちょっとしたウキウキを発信し続けたいと思っています。

より人間味が出せるようなキャラクター創りを工夫する

信条を実現していくために、どんなことをされていますか?

「おしのびさん」の仲間達は、自分や家族、友人をイメージして生まれたキャラクターが多いので「こういう時はどうするかな?」という事を、モデルになった人達を思い出しながら描いています。そうする事で、より人間味が出せるように思います。
他には、皆さんがおもわず身近に「あるある」と思ってもらえるようなネタ探しや、どんな考え方をして生活をしているのか、どんなものが好きなのかを観察するようにしています。
グラフィック面では、解釈が広がるように出来るだけシンプルな線や塗りを心がけています。

どのような商品・サービスをご提供されていますか?

オリジナルキャラクターグッズの企画・販売をしています。
京都の東映太秦映画村、忍者道場の他、期間限定でハンズやロフト、蔦屋書店、ヒカリエなどに出店する事もあります。
また、ご依頼をいただいて女性・子ども向けのファンシー系イラスト制作もしています。書籍用、CD用、グッズ用など。デザインも出来るので、印刷所への入稿用データも一貫して実施することもあります。
デフォルメ系のキャラクターデザインもお引き受けしています。タレントさんの似顔絵キャラクターを作って、コンサートグッズ化した事例もあります。とにかく、自分ができることは限界を決めずに、今はいろいろな事をなるべく柔軟に対応していきたいと思っています。お客様に喜んでもらえますし、自分も勉強になるからです。

作ったものを使って喜んでもらっているのを見かけた時や、イベントなどで実際にお客様に会えた時はうれしいですね。
「てぬぐいを生地として使って、自分の子ども用のスタイを作りました」とご報告いただいたり「妻と娘へのプレゼントとして購入しました」とレビューをいただいた事もあります。また、憧れの伊賀忍者の方や、前職で関わった作品のファンの方が、絵柄で気づいてイベントブースを訪ねて来てくださった事もあります。(名前は変えているのですが)
自分が想定していた以上の反応や使われ方があると、じーん…と、感動してしまいます。
また、もともとは自分や仲間内で使いたいと思って作り始めたものですので、自分達でも使って楽しんでいます。

はじめたきっかけや、今後の目標をおしえてください

もともと自分が戦国好きで、同じ趣味の友人と「女性でも日常的にさりげなく使える戦国グッズがあればいいのにね」と話したのがきっかけでした。戦国グッズというと男性が持つ事をイメージしたデザインが多かったからです。そこで「友人が持ってくれそうなデザイン」というコンセプトを意識するようになりました。

現在は戦国グッズに限らず、とにかくお客様に喜んでもらう事をめざしています。

私も、おしのびさんも、まだまだ探っている部分が多いので、これから一緒にがんばっていきたいと思っています。どちらも、みなさんに寄り添い、愛される存在になっていけるよう、コツコツ磨いて、進んでいきたいです。

最後にこのページをご覧になっている方へのメッセージをお願いします。

安定した職場を離れる事は勇気がいりましたが、思い切って独立して、少しずつですが活動の幅を広げられています。
グッズなど、デザイン系のお仕事が多いのですが、アートフェア出展やJapanExpo出展など、アート系のお話をいただく機会も出てきました。
「食わず嫌いしない事」を大事にしているのですが、偏見を持たずに挑戦する事で、幅が広がる事もあるのかなと感じています。

また、必要不可欠なのは家族の理解や協力です。3歳、0歳の子ども、夫との4人家族なのですが、続けていけるのは彼らのおかげなので、いつも感謝の気持ちを忘れずにいたいと思っています。

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