スペシャル取材

子育てしながらの起業はとにかく周りを巻き込むこと。中国にヒントを求め上海で起業 楷枝(上海)管理咨询有限公司 代表 坪井与枝

自立・経済

楷枝(上海)管理咨询有限公司 代表

東京女子大学卒業後、株式会社リクルートキャリアに入社。新サービス開発・営業や外資系企業向け採用コンサルティングチーム、リクルート海外法人日本拠点(RGFJAPAN)初期運営等に携わった後、事業開発部で大手企業の採用活動のブランディング提案・事項を担当。2013年に株式会社リクルートホールディングス上海法人に転籍し、欧米企業や中国企業の採用支援を現地スタッフと行う。副業で自身の会社を現地で設立し、2016年に退職。中国進出支援・マーケティング支援及び、中国人カップル向けウェディングフォトサービスを提供する。現在は「ベビーシッター紹介、一時保育サービス」を上海から開始する。

女性が働くということをつきつめたい。そのためには、働く女性が多く、起業家も多い中国にヒントがあると上海で会社を立ち上げた。

簡単な自己紹介をまずはお願いします。また、お仕事をする上での信条は何ですか?

現在、楷枝(上海)管理咨询有限公司という会社を中国で立ち上げて、日系企業の中国進出支援などを行っています。もともとは、大学卒業後にリクルートキャリアに入社し、営業や大手企業向けの採用の新サービスの提供、外資系企業の採用などに従事していました。営業が好きで、テレアポでは同期の中でトップでした。アプローチした企業数も多く、数をこなしている中で、名乗り方など突破の仕方もわかってきて、精度を上げていく過程は楽しかったですね。初対面の方との壁をなくすにはどうしたらいいかなどをよく考えているうちに、コミュニケーション力が自分の強みとなっていったように思います。

新卒でリクルートキャリアに入社した時から、“女性が働く”ということをテーマにしたいと思っていました。しかし当時は、リーマンショック直後。日本企業全体がしんどい時期で、中々女性のキャリアに本気で取り組む事業を手掛けることができませんでした。日本にいては、私がやりたいことに出会えないと感じました。そんな時、中国では世界でも女性の就業率が高いことを知りました。中国も日本と類似し「フェミニズム」の動きが始まったのは1980年代。同様に、女性よりも男性の方が社会で優位な立場であった時期が長いのにも関わらず、この違いは何なのだろう? その理由を知りたいと思いました。

中国でビジネスに深く関わることは、中国人女性の生活や仕事への考えを知ることができ、それがいつか自分のやりたいことにつながるかもしれない。そういう思いで今、中国でいろいろなビジネスを試しています。中国には男性も女性も起業家がたくさんいて、スタートアップのためのコワーキングスペースも山のようにあります。皆、そこで新しい事業を始めては失敗したりと、人や会社も入れ替わりが激しいですが、多くの刺激を受けています。

リクルートホールディングス中国法人・現地のヘッドハンティング会社の合弁会社へ転籍

このお仕事を始めたきっかけは何だったのでしょうか?

リクルートホールディングス中国法人・現地のヘッドハンティング会社の合弁会社へ転籍しないかという話をもらったのがそもそものきっかけです。当時の海外事業部役員が知り合いだったこともあって、お茶を飲みながらの面談することなり、あっという間に決まってしまったんですよ。現地では、約50人の中国人社員と一緒に働きました。仕事は英語ですが、中国語が話せないと他の社員とささいな日常会話ができずランチの時間も楽しめない。そこで必死で中国語を勉強しましたね。その後、副業で中国に会社を設立し、合弁会社を退職して現在の会社を経営するに至りました。

具体的に、どのような事業内容を展開されているのですか?

中国の市場に参入したいと考えている日系企業へコンサルティング事業をしています。前職のつながりやウエディング、医療、ベビー関連事業会社や、いくつかの自治体などで幅広く、訪日インバウンド推進事業関連の企画などを担当させてもらっています。また、中国人カップルに向けて日本でのウェディングフォトサービスも提供しています。

女性や母親が起業するためのコツはありますか?

今、子どもが10カ月になったところです。毎日、会社に連れて行っては、ベビーシッター学生や周りのスタッフに遊んでもらっています。中国では交通など移動コストが低く、テクノロジーが発達しているので、子ども連れで出かけやすい環境なんです。子連れ出勤がごく自然に受け入れられています。日本では母親は子どものために夜の外出を控えることも多いと思いますが、中国では外食に小さい子を連れていって一緒に楽しむことも多いです。そうやって、周りの人にかわいがってもらいながら共に子育てをしている感じです。

日本と中国で文化や環境の違いはあると思いますが、子育てしながらの起業では、とにかく周りを巻き込むこと、そして一人で何でもきっちりしようと思わないことが大切だと実感しています。私自身は仕事と子育てを切り離すことができないタイプで、このスタイルが合っているようです。頭の中が子どものことで占められることも多いので、今後のビジネス展開として、子どもと関連するものを手掛けていくのも、相性がいいのではと感じています。これは女性ならではかもしれませんが、今の生活の関心事をビジネスに結び付けると、無理なく始められるように思います。

得意な営業力を生かして、日本で提携してもらえる企業をどんどん開拓していきました。営業や集客に対しては、苦手意識を持たないことが一番大切だと思います。意識をちょっと変えて、こうやったら楽しいなとか、このやり方は好きだなと思いながらやってみるとよいですよ。

最後にこのページをご覧になっている方へのメッセージをお願いします。

私自身は、やりたいことにたどり着くには起業しかないと思って起業しました。その経験からも、自分のやりたいことをする時に、会社員でもフリーランスでもなく、起業という形がゴールに一番近づけると思ったのなら、起業するのがよいと思います。起業を目標にするのではなく、あくまで働くスタイルとして試行錯誤した結果、起業を選ぶということです。

一度起業すれば、いっぱい失敗もしますし、資金繰りで苦労する日々もくるでしょう。それに耐えられるものをもっていないと起業はできないなと、最近つくづく感じています。

また、自分で始めたビジネスをやめるのは度胸がいるものです。けれど、ビジネスを立ち上げてやっているうちに、どうも自分のやりたかったことと違うと感じることもあると思います。違うと感じたならそれは早くやめた方がいいと思います。信条と違うものをやっても、結局は売れないからです。経営しているとモヤモヤすることは多いですが、自分の気持ちと客観的な数字は、大切な判断基準になると思います。


   

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