【仮想通貨の未来と課題】ビットコインをはじめ今後の展望は如何に?
2021/06/26
最近何かと話題の仮想通貨。皆様は所有したご経験はありますでしょうか。
私は5年ほど前に購入して、5万円ほど損失が出たところで売却してしました。
現在まで保有していれば資産は約10倍近くになっていたと思うともったいないことをしたなと思います。
当時の私はよく分からないままお金を投じる、「投機」をしていました。
しかし、現在は仮想通貨を投資や投機の対象だけでなく、万国共通の通貨としての役割を仮想通貨に期待する動きも出てきています。
仮想通貨は今後、円やドルのような法定通貨と肩を並べ世界中で使用される通貨となるのか?
今回は仮想通貨の今後について書いてみたいと思います。
仮想通貨とは?
仮想通貨(暗号資産)は、ネットワーク上で電子的な決済の手段として広く流通しているデジタル通貨のなかでも国家権力による弁済手段としての法的効力を持たないものをいいます。
全てはインターネット上でやりとりされる「電子データ」にすぎません。
加えて、仮想通貨はドルや円などの法定通貨と異なりある特定の国家の管理下にありません。しかし、円やドルなどの法定通貨と同様に交換や決済、送金などほぼ全てのことができます。
仮想通貨が法定効力を持たないにも関わらず法定通貨並みの効力を持っている要因のひとつとして暗号化技術があげられます。
公開鍵暗号などの技術により仮想通貨の偽造など通貨としての信頼性を損なう基本的な問題の発生を防いでいます。
仮想通貨ブームを牽引するビットコイン
仮想通貨界で知らない人はいないビットコインは2009年に運用が開始されました。
その後アルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨の総称)が続々と登場し、Coincheckなどの仮想通貨取引所が開設されることで一気に取引が拡大しました。
2017〜2018年におきた1回目のビットコインバブルでは1BTC(ビットコイン)=8万円が1BTC=200万円まで上昇しました。
約25倍の上昇で、もし当時100万円分のビットコインを持っていれば、たった1年で2500万円になっていたということになります。
直近では2回目のバブルがありました。
テスラのCEOであるイーロンマスクが仮想通貨で車を購入できるようにすると発言したこともあり、昨年夏頃から2021年4月には1BTC=約700万円まで上昇しました。
しかし現在(6月19日)は1BTC=約400万円まで下落しています。
4月の高値圏からは約45%の下落です。
当時購入した人は現在まで保有していれば資産が約45%減となるので、100万円分持っていればたった2ヶ月で55万円まで減ってしまっているということになります。
たった2ヶ月、何もしていないのに新入社員の手取り約3カ月分が消えてしまいました。
もちろん保有し続けていれば投資した額より多くなる可能性はありますが、みなさまはどう感じるでしょうか?
ボラティリティが激しいこと(=値段の上下が激しいこと)もビットコインをはじめとする仮想通貨の特徴です。
仮想通貨の課題
仮想通貨の用途としては大きく2つあります。
①投資投機の対象
②送金や決済としての手段
です。
1つ目に関しては、ビットコインの例でいえばボラティリティが高いため、タイミングさえ掴めば取れる利益も大きくなります。
逆に言えば負けた時の損失も大きくなるということであり、投資というよりは投機に近いといってよいでしょう。
2つ目は非常に重要で、これから仮想通貨が法定通貨と同等レベルの地位を築き上げられるかどうかを左右します。
そこで、送金や決済手段としての仮想通貨の未来を考えてみたいと思います。
仮想通貨の未来
私は仮想通貨が決済手段として普及することはないと考えています。
理由は2つあります。
①環境破壊に関する問題
②税金の問題
1つ目は仮想通貨で最も普及しているビットコインについてですが、ビットコインの環境への悪影響についてです。
なぜインターネット上で取り引きされる通貨であるビットコインが環境に良くないの?と思われた方もおられるでしょう。
ビットコインがどういうふうに作られているかを簡単に確認してみましょう。
ビットコインは不特定多数の第三者がコンピューターでマイニング(採掘)とよばれる取引の承認や確認作業をすることによって信頼性を担保しています。
しかし、そのマイニングには非常に多くの電力が必要で、CO2排出量はオランダという国際的に発展した1つの国と同等なほどです。
(出典:https://xn--bloomberg-p67po39v.co.jp/news/articles/2021-03-23/QQEDOVT0G1L201)
問題なのは取引が増え、ビットコインの価格が上昇すればするほど排出量が増えていくということです。
仮想通貨の代表格であるビットコインの利用を推奨することはSDGSなど環境を大事にする世界的な潮流とは真反対をいくことであり、決済手段としての普及には大きな壁があると考えています。
2つ目は取引の際に生じる税金についてです。
仮想通貨を商品に交換したり、他の仮想通貨と交換すると、その時点で取得価格との差が利益となり税金が発生します。
これはつまり、何か買い物や通貨を交換するたびに自分で税金の計算をして申告しないといけません。
自営業や副業で確定申告に慣れている人でもかなり煩雑で難しいでしょう。
にもかかわらず一般人の方々が普段の買い物など多くの取引をこまめに確認し、税金の申告ができるでしょうか。
税制を変更すればこの問題を解決できるのですが、法的効力のない仮想通貨のために税制を変更するメリットが各政府にないので、税制変更を期待するのは現実的ではありません。
以上、2つの理由をもって仮想通貨が送金•決済手段として世界的に普及する可能性は極めて低いと考えます。
仮想通貨は一部の投資家の余剰資金の投資先としての商品という域を超えるか否かには注目したいと思います。
ゆめかなう編集部 佐々木