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独立起業のレシピ

【番外編】失敗しない起業のしかたとは?よくある失敗例とともにご紹介!<いつの間にかフリーランスになってしまったライターK編・その2>個人事業主/フリーランス

2023/04/16

今回は、2022年にフリーランスデビューしたライターKさんの失敗談、その2です。(失敗が多すぎて一つの記事にまとまりませんでした。)

 

同じ轍を踏まないよう、しっかり役立ててくださいね。

 

▶︎ ライターKさん(20代・女性)

数回の転職を経て派遣社員として勤務していたが、契約満了となり突然無職に。正社員の職を探すも見つからず、数ヶ月後、気がつくといつの間にかフリーランスのライターに。

 

 

▶︎ Kさんのコメント

 

Kさん

独立して働く方の多い出版業界でずっと働いてきましたが、自分には無理だとずっと思っていました。しかし、食べていくために仕事を受けていたら、フリーランスになってしまっていました。たくさん失敗してきたので、皆さんの参考になればと思います。

 

 

◆ お金まわりの失敗編

 

・とにかく会計や経理の知識がなかった

 

▶︎ Kさんのコメント

 

Kさん

ライターとしての実績はそこそこあったものの、会計や経理については素人だったので、わからないことは都度ネットで「帳簿 付け方」「パソコン 経費 プライベート共用」という感じでいちいち調べていました。でも、サイトによって書いてあることが違うこともしばしばあり、大混乱。これではだめだと、本を1冊買って読んだら理解できてすっきり。そして、とにかく簿記!簿記を勉強したらすべてが変わった!個人事業主やフリーランスの必須知識です!

 

 

▶︎ ゆめかなう編集部より

おそらく独立・起業した方全員がぶつかる最初の壁が「記帳」そして「確定申告」だと思います。ゆめかなうの「独立起業のレシピ」やインスタグラムでも確定申告の基礎知識はお伝えしていますが、それでもわからないことはたくさんあると思います。

 

独立・起業しようと思うと、どんな事業をするかということを中心に考えてしまいがちですが、同じくらいお金についての知識は必須です。事業についての準備と並行して、お金の知識をつけておきましょう。

 

ゆめかなうの記事を読んだり、相談カウンターで相談いただくのもよいですが、自ら勉強してみたい方は次の2つがおすすめです。

 

① 簿記

会計の知識をつけることができます。歴史ある資格で参考書がたくさんありますし、どこに行っても邪魔にならない知識です。「でも、記帳は税理士に依頼したり、会計ソフトで処理したりするんでしょ?」と思う方もいると思いますが、自分の事業の状況を把握するためには、最低限の知識は必要!今回のインタビューでも「簿記の勉強をしてよかった・しておけばよかった」という声は多かったです。

 

② FP

個人事業主やフリーランスは、残念ながら会社員ほどの過保護な福利厚生はありませんので、働けなくなったときの備えも自ら計画的に行う必要があります。そしてただ備えるだけでなく、所得控除のしくみをうまく使えば、節税にもつながります。FPの勉強をすれば、税金や社会保険、資産形成というお金の知識を幅広くつけることができるのでおすすめです。

 

 

・ハローワークなど行政に頼ることを恥ずかしいと思っていた

 

▶︎ Kさんのコメント

 

Kさん

ハローワークはどうしても仕事が見つからないときに頼る最後の砦のようなもので、無職になってもなお「私には必要ない」と思い込み、最低限の手続きだけをするためだけに通っていました。

でも、紹介されて職業訓練を受けたところ、失業手当をもらいながらスキルを身につけることができて、できる仕事の幅が広がり、次にどんなことをしようかと考える時間もできました。また、自治体の窓口で相談したところ、国保の保険料減額をしてもらうこともできました。最初からもっと頼ればよかったです。

 

 

▶︎ ゆめかなう編集部より

ハローワークなどの行政や何かの機関に頼ることに「世間体がよくない」というような、良くないイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。

 

しかし、独立起業後いくらやる気があっても、社会情勢の変化や災害など予測不能な事態が起きたり、家庭の事情が変化したりして、事業が続けられなくなってしまうことは十分に考えられます。

 

また「利用できるものは何でも利用していく」という積極性も必要です。自らの道や事業を開拓していく人に、世間体の良し悪しや遠慮は過剰に必要ありません。

 

ここでは、ハローワークや減免措置について情報を載せておきたいと思います。

 

なお、仕事探しはハローワークのみならず、色々なサービスが世の中にたくさんありますので、常日頃からネットで調べて情報を収集しておくことをおすすめします。いくつかのサービスに網を張って、いざというときのために登録しておくのもいいでしょう。

 

 

① 失業手当や給付金をもらいながらスキルアップできる制度「ハロートレーニング」を活用しよう

 

失業保険の受給資格がある人が利用できる職業訓練を「公共職業訓練」、受給資格がない人が利用できる職業訓練を「求職者支援訓練」といいます。

 

公共職業訓練は、ハローワークを通して就職活動をしていく中で、必要と認められた人のみが受けられます。人気の訓練の場合は選考会が開催されることもあり、必ず受けられるとは限りませんが、訓練受講中は失業手当を受け取ることができます。また、訓練終了後も必要と認められれば30日間「訓練終了後手当」を受け取ることができるため、訓練や就職活動に専念することができます。

 

「求職者支援訓練」は、失業手当の受給資格がなかったり、受給期間が終わってしまった人が受けられます。収入などの一定の条件を満たせば、月に10万円の給付金をもらいながら職業訓練を受けることもできます。また、その条件を満たしていなくても、受講料無料(教材費別途)で受けられる場合もあります。

 

これらの職業訓練には、経理や事務として就職を目指す方のための講座から、介護士、エンジニア、グラフィックデザイナー、近年人気の高いwebデザイナーなどさまざまなものがあります。対象となる人の幅が広いこともあって基礎的な内容であることも多いので、訓練を受けたからといってすぐに仕事を取れるようになったり、就職に極端に有利になるとは限りませんが、選択肢として知っておきましょう。

 

※あくまで求職者支援なので、起業が目的だと受講できませんので注意しましょう。

 

 

② 資金の確保!税金や保険料の猶予・減免制度、給付金・補助金を活用しよう

 

収入が大幅に減ってしまった世帯などを対象に、税金や保険料を猶予してもらえたり減免が受けられたりします。条件は自治体により異なるので、困ったらまずは相談してみましょう。

 

また、新型コロナウイルス感染症が拡大した際には、売上が減ってしまった事業者向けに「持続化給付金」など返済不要の給付金制度が設置されました。他にも、補助金や助成金など常時さまざまなものがあります。これらは申請しなければ受け取ることはできませんので、情報収集すること、困ったことがあれば相談するくせをつけましょう。

 

・お金や税金の知識がゼロなのに「お金のことを細かく確認せずに仕事を受けるのがスマートなフリーランス!」と思っていた

 

▶︎ Kさんのコメント

 

Kさん

私は、はじめ自分のスキルにあまり自信がなかったこともあり、クライアントとは極力交渉をせず、言い値で仕事を受けていました。加えて税金の知識もありませんでした。そのため、ちょっと安いかもと思っても断ることも交渉することもせず、締め日や支払い日、消費税込み・抜きの確認もせず、さらにそれがスマートだと思っていました。

 

ある日、クライアントから「この記事の校正とリライトを5,000円でお願いします!」と依頼をされたので、ちょっと安いなと思いつつも「でも消費税込みで5,500円だし」と2つ返事で受けることに。しかし、記事のほぼ全てを新規の原稿に差し替えるような修正が必要になり、断れずに対応。何とか納品が終わり、税込5,500円の請求書を送ると「税込5,000円で依頼したはずなので訂正してください」と言われ、確かに確認しなかった自分が悪かったな、とここでも何も言わず訂正して再送。締め日の関係で、報酬が振り込まれたのは納品の2ヶ月半後、さらに源泉徴収・振り込み手数料も差し引かれ、手元に残ったのは4,000円ほどでした…。

 

▶︎ ゆめかなう編集部より

のフリーランスによくある失敗ですね。日本ではお金の話がタブー視されがちですが、独立起業したばかりの方ほど、確認するところ、交渉するところを抑えておかないと、個人事業主やフリーランスの売上の増減は生活に直結しますので、要注意です。

 

特に、フリーランスとの仕事に慣れていないクライアントの場合、源泉徴収の有無や消費税の扱い、料金内に含まれる作業はどこまでなのか、などを把握していないことも多いです。仕事を依頼されたら、必ずはじめに打ち合わせておきましょう。一番良いのは契約書を締結することですが、できなければメールなどに残しておきます。

 

そして、前提として自分の提供できる商品とその価格を明確に定めておくこと。これができていないと、せっかく自分で仕事を取りに行っているのに、無駄に消耗してしまうことになりかねません。

 

その上で、最低限確認しておきたい項目は次の通りです。

 

① 料金:相場や労力、スキルのほか、継続して発注してもらえるかどうかなどから判断

② 仕事の範囲:どこから追加料金が発生するか明確に

③ 納期:あまりに短い場合は料金を交渉

④ 源泉徴収の有無:クライアントが個人事業主なら源泉徴収されない場合もあり

⑤ 消費税:料金に消費税が含まれているかどうか要確認

      ※2023年10月からはインボイスについても確認

⑥ 締め日と支払い日

⑦ 振り込み手数料をどちらが負担するのか

⑧ 著作権の所在

 

 

◆ その他のやりがちミスあれこれ

 

・生活が不規則&家に引きこもるようになり、体調を崩しまくり

 

▶︎ Kさんのコメント

 

Kさん

目覚ましをかけずに好きなだけ寝る生活を続けていたら、起きるとすでに夕方で、寝るのは日の出ごろ、という事態に。人間じゃない生活リズムでした。そのうち肩こりや腰痛、頭痛で頻繁に寝込むようになり、これはダメだとジムに通いはじめ、早寝早起きを実践したところ、不調がぱたっとおさまりました。ませんでした。そのため、ちょっと安いかもと思っても断ることも交渉することもせず、締め日や支払い日、消費税込み・抜きの確認もせず、さらにそれがスマートだと思っていました。

 

 

▶︎ ゆめかなう編集部より

よくありますね。朝日を浴びる生活って大事ですよね。朝日を浴びると、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」が分泌されます。重度のうつ病の治療に「光療法」というものがあるほど、光を浴びるというのは人間にとってとても重要なことなのです。

 

月並みですが、規則正しい生活・適度な運動・バランスの取れた食事は大切です。フリーランス・個人事業主こそ体が資本です。自分を大切に!

 

・「舐められたくない」が裏目に出る

 

 

▶︎ Kさんのコメント

 

Kさん

「こんなこと聞いたら非常識だと思われるかも?」「こんなことを確認したら、何も知らない奴だと舐められるかも」と思って仕事を進めたところ、結局何度も差し戻されて、誰も得しない状態に。「○○した方がいいのかな?でも…」と思ったことで、しなければよかったと思ったことは一度もないです。だいたいやった方がいい!

 

▶︎ ゆめかなう編集部より

不安なことや不確かなことは、もやもやしているより確認した方が早いです!まずは口に出してみましょう。業界によって進め方が違うことはよくあるので、特にはじめのうちは密にコミュニケーションを取りましょう。ただし、その確認や連絡が「面倒だな」と思われるのか「きちんとしてるな」と思われるかは言い方次第です。

 

そして、早めにクライアントがどんな人なのかを見極められるよう洞察力を働かせましょう。できるだけ少ない指示で“いい感じ”にしてほしい放置型なのか、ぐいぐいリードしてほしいのか、それともよき合いの手として補足だけしてもらいたいのか、あるいは、細かいところまで確認をとってほしいのか。

 

ニーズがお客様とその仕事の状況によって異なりますので、まずは確認を。

 

 

・「スキル不足かも…」と営業のときに遠慮していた

 

▶︎ Kさんのコメント

 

Kさん

営業の経験がなかったことや、本当に自分のスキルでこの仕事がこなせるのか、という不安からはじめはかなり遠慮がちに営業していました。でも、自信なさそうな人に発注はしたくないよな…と思い直し「私はこんなことができます!ここはほかの人と違います!」とはっきり言う営業スタイルに。営業の仕方を変えただけで、次々と依頼がもらえるようになりました。納品後もすべての会社とお付き合いが続いており、紹介でお仕事をもらえたことも。

 

▶︎ ゆめかなう編集部より

仕事は自信がある人に舞い込んできます。独立起業する方は、自信過剰ぐらいが丁度良いと思います。

 

また、クライアントの需要はいろいろです。例えば「時間やコストがかかってもクオリティの高いものがほしい」というクライアントはもちろんいますが、ほかに「クオリティはそこそこでいいから早く納品してほしい」、「クオリティより一緒に仕事しやすいかどうかが大事」などなどのニーズを持ったクライアントもいます。そのため、一概にスキルが足りないから仕事がないかといえば、そうではありません。提供している商品サービスが、お客様のニーズにうまくはまればよいだけです。気張ってみたり、頑張りすぎたりしなくても、マッチする仕事がきたらすんなりいくもの。

 

自信とは「自芯」でもあります。自分に一致して自分らしく価値提供できるものが、無理なくあなたらしくオンリーワンの商品になっていくのだと思います。

 

▼参考・出典

・日本年金機構 https://www.nenkin.go.jp/index.html

・総務省 https://www.soumu.go.jp/

・国税庁 https://www.nta.go.jp/index.htm

・厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/index.html

 

 

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